
マーケティング担当者になったら必ず使用する3つのツール、アナリティクスとサーチコンソールとキーワードプランナー。
取得できるデータが多岐にわたるだけに、何ができるのかはっきりと説明できないという方もいるのではないでしょうか。
もしくは手探りで使い始めているけれど、見落としていて使いこなせていない機能があるかもしれません。
こちらの記事では、マーケティング初心者向けにこれらの3つのツールの違いと基本的な使い方を解説します。
ツールを活用した深いデータ分析を行うことで、自社の課題をクリアにし、サイト改善につなげていきましょう。
▼この記事を読んだら分かること▼
- アナリティクス、サーチコンソール、キーワードプランナーの基本的な機能
- 3 つのツールを使用する場面
Google アナリティクスとは

基本的な機能
Googleアナリティクスは、Googleが提供しているアクセス解析ツールで、無料で利用できます。
自社サイトへ訪問したユーザーはどんな人で、どのくらいの人が、どこから訪問し、どのコンテンツをどれくらい閲覧したかなど、自社サイト内でのユーザーの特徴や行動を知ることができます。
また、コンバージョン(ユーザーに起こしてほしいアクション)の状況も把握できるので、広告やSEOでどれくらいの効果が出ているか確認できます。
さらに、離脱や直帰の多い記事がわかるので、サイト内の問題点に気づき修正するのに役立ちます。
自社サイトがどのように利用されているかを把握するためには、Googleアナリティクス内「レポート」ツールを用いることで、多角的に分析できます。
ユーザー レポート
ユーザーのこまかな特徴がわかります。
具体的には、以下のとおりです。
- ユーザー数
- ユーザーの性別・年齢
- ユーザーの使用デバイス(PC、スマホ、タブレット)
- ユーザーの地域・国
- 新規ユーザーか、リピートユーザーか
たとえば、30代男性をターゲットにコンテンツ制作や商品企画をおこなっていたにも関わらず、実際は10代後半〜20代前半の男性の訪問が多かった、ということがわかれば、ターゲットを練り直して軌道修正することができます。
訪問ユーザーの特徴を分析し、より効果的な戦略を練っていきましょう。
集客レポート
ユーザーが、どこから自社サイトに訪問したかがわかります。
具体的には、以下の通りです。
- Organic Search:検索エンジン(Google、Yahoo!、Bing)
- Paid Search:リスティング広告
- Display:ディスプレイ広告
- Social:TwitterやFacebook、InstagramなどSNS
- Referral:外部サイトに貼られた自社サイトへのリンク
- Direct:ブックマークやURL直接入力など
- Email:メルマガなどメール内のリンク
- Other Advertising:リスティング広告やディスプレイ広告以外
- (Other):その他
ユーザーがどこを経由して訪問したかによっては、戦略やコンテンツ内容が異なります。
同じページを見ていても、自らキーワードを検索して訪問したユーザーと、SNS広告などでなんとなく訪問したユーザーとでは、ニーズやモチベーションが異なります。
集客レポートでユーザーの質を見極め、ユーザーに適したコンテンツを提供しましょう。
目標 レポート
サイトのコンバージョン数のデータを取得できます。
コンバージョンとは、ユーザーに起こしてほしいアクションのことです。
企業のサイトであれば資料請求や問い合わせ、ECサイトであれば商品購入などにあたります。
1つのサイトにコンバージョンを複数設定し、達成されたかを数値で確認できます。
Googleアナリティクスでは、コンバージョンの種類を5つに分類しています。
- 到達ページ:指定したページに訪問があった
- 滞在時間:指定した時間より長く滞在された
- ページビュー数/スクリーンビュー数:指定した1訪問あたりの閲覧ページ数を超えた
- イベント:指定したページへのリンククリックやPDFダウンロードなどの指定した行為があった
- スマートゴール:AIがユーザーの訪問の質を評価し、コンバージョンとして定める機能(※Google広告との連携が必須)
行動 レポート
サイト内でのユーザーの行動の詳細がわかります。
行動メニューのサイトコンテンツ内「すべてのページ」では、コンテンツごとに以下の7つの指標を確認できます。
- ページビュー数:ページが閲覧された回数
- ページ別訪問数:1回の訪問に対し、同じページの2回目以降の閲覧をカウントしないページビュー数
- 平均ページ滞在時間:該当ページに滞在した時間の平均
- 閲覧開始数:ユーザーがサイトに訪問した最初のページをカウントした数量
- 直帰率:すべての訪問のうち、最初に見たページで離脱した訪問の割合
- 離脱率:すべての閲覧の中で、該当ページが最後のページになった割合
- ページの価値:そのページがどれだけコンバージョンに貢献したかを示す指標
行動レポートでページごとのユーザーの行動を分析することで、価値の高いページの露出を増やしたり、直帰率や離脱率の高いページを手直ししたりできます。
使用する場面
Googleアナリティクスは、アクセス解析ツールです。
サイトを改善しコンバージョンにつなげるためには、現状を把握することが重要です。その手段としてGoogleアナリティクスを活用します。
サイト改善へ活かすポイントは大きく分けて2つあります。
- ターゲット層の訪問を増やす
- コンバージョン率(成約率)を上げる
この2つのポイントを改善するためには、以下の4つのチェックポイントを見直すと効果的です。
- 流入元がかたよっていないか?
- 狙ったキーワードで流入できているか?
- キラーページへのアクセス数は妥当か?
- キラーページへのアクセス数と成約数の比率は妥当か?
短期間で効率的にサイト改善をはかるために、Googleアナリティクスをうまく活用しましょう。
Google サーチコンソールとは

基本的な機能
Googleサーチコンソールは、Googleが提供しているWebサイトの管理ツールで、無料で利用できます。
検索結果において、サイトの掲載順位やユーザーが入力した検索ワード、サイトのエラー状況などが確認できるので、SEO対策には必要不可欠です。
使用する場面
流入を狙ったキーワードからのクリック数や平均順位、CTR(検索結果に表示されたうちどのくらいクリックされたか)を確認して、うまく対策できているかを分析する際に活用します。
また、狙ったキーワードとは異なるキーワードの表示回数が多い場合もあるので、新たなコンテンツを考えるヒントを得ることもできます。
サイト改善に向けて、以下の2つのチェックポイントを見直すと効果的です。
- 掲載順位が高いのにクリック率が低い
- 検索順位は低いがクリック率が高いor表示回数が多い
チェックポイントに当てはまったら、下記の改善を施してみましょう。
1.掲載順位が高いのにクリック率が低い
掲載順位が高いということは、検索エンジンからの評価は高い一方、クリック率が低く、ユーザーからは思ったよりクリックされていないということが分かります。
実際に検索結果を確認し、ユーザーのニーズに適したページタイトル・説明文になっているか確認してみましょう。
競合サイトのページタイトルとも比較しながら、ユーザーにとって「クリックしたい!」と思ってもらえるタイトル・説明文に改善していくとよいです。
2.検索順位は低いがクリック率が高いor表示回数が多い
掲載順位が低くても、クリック率が高かったり表示回数が多いページは、ユーザーが複数のページを情報収集しており、悩みが深いことをあらわします。
実際に検索結果を確認し、競合サイトと比較した上で、よりユーザーに有益なコンテンツや関連コンテンツを増やして、サイトの回遊率を効果的に高めましょう。
このように、サーチコンソールでは、流入前のユーザーの行動がわかるので、流入してもらうための対策を練ることができます。
コンバージョン率を上げるにはまずはユーザーが流入しないと始まりません。
Googleサーチコンソールをうまく活用しましょう。
Google キーワードプランナーとは

基本的な機能
Googleキーワードプランナーとは、Googleが提供しているキーワード選定ツールで、無料で利用できます。
キーワード候補やキーワードの検索ボリューム、競合の強さ、広告単価などを調べられます。
うまく活用し、アクセス数の向上や集客数アップにつなげましょう。
使用する場面
コンテンツを作成する際に、事前に適切なキーワードを見つけ出すために活用します。
キーワードを選出するには、キーワードプランナーでキーワードを抽出したり検索ボリュームを調べたりできますが、実はその後のキーワードの整理・選定が重要です。
たとえば、オリジナルダイエット器具を訴求するための記事を出そうとする場合、実際に「ダイエット」というキーワードを調べてみると、月間検索ボリュームが10万〜100万あります。
月間ボリュームが10万〜100万で多いということは、膨大な集客を見込めるので、数多くの強敵企業はこぞってそのキーワードを狙いにきます。
そんな中で、新しく書いた記事が上位記事に表示され、アクセス数を伸ばすことは難易度がかなり高いです。
対して、関連ワードのひとつである「縄跳び ダイエット お腹」というキーワードを見てみると、月間検索ボリュームは100〜1000でした。
「縄跳び ダイエット お腹」というキーワードは、月間検索ボリュームが少ないかもしれませんが、キーワードに適した記事さえ書ければ、上位記事に表示される可能性はぐっと高まります。
さらに、ピンポイントに「縄跳びを用いてお腹を中心にダイエットしたい」ユーザーに商品を訴求できるので、コンバージョンにつながる可能性も高くなると言えます。
ユーザーは、検索窓にキーワードを入力して悩みや疑問を解決しようとします。
つまり、キーワードというユーザーの検索意図を正確に読み解き、コンテンツを作成する必要があるのです。
しっかり狙いを定めたコンテンツを作成し、サイトのアクセス数向上に役立てましょう。
アナリティクスとサーチコンソールの違い

サーチコンソールは、サイトに訪問する前のユーザーの行動を分析し、アナリティクスはサイト訪問時の行動を分析します。
なお、サーチコンソールは検索結果に表示させるためのインデックス登録リクエストや検索結果から指定ページを削除したりなど、施策の実行まで行えますが、アナリティクスはあくまでもデータ分析が主な機能です。
2つのツールを連携することで、集客からコンバージョンまでを一括管理できるので、ぜひ連携しておきましょう。
サーチコンソールとキーワードプランナーの違い

サーチコンソールで得られるキーワード情報は、あくまでも自社サイトへ流入する際のキーワード結果です。
対して、キーワードプランナーはGoogle検索全体のキーワードです。
コンテンツ作成する際に適切なキーワードをキーワードプランナーを活用して選び、その後うまくハマっているかサーチコンソールで分析していきましょう。
【まとめ】3 つのツールの違いと使用する場面

ここまで、Web マーケターが使用するサイト改善のための必須の3ツールを紹介しました。これらの特徴をまとめたものが以下になります。
アナリティクス | サーチコンソール | キーワードプランナー | |
できること | ・ユーザーの特徴 ・ユーザーの流入経路 ・サイト内での行動 ・コンバージョン状況 など | ・サイトの掲載順位 ・検索ワード ・サイトのエラー状況 など | ・検索ワードの検索ボリューム予測 ・関連性の高いワード抽出 など |
使用する場面 | サイト内のユーザー 行動の状況を調査分析 | サイトと検索エンジン のつながりを調査分析 | サイトと関連性が高く 集客が見込めるキーワ ードを選定 |
Googleアナリティクス、サーチコンソール、キーワードプランナーはマーケティングに関わる人にとって3大必須ツールです。
利用場面ごとにうまく活用し、コンバージョンに向け、効率的にサイト改善を図っていきましょう。
この記事を書いた人

- 不動産や金融業界においてコンサルティング業務、新規事業企画に従事。現在は2児の育児をしながら、フリーランスとしてwebマーケ領域の企画立案に携わっています。