現在自社ECサイトに「レビュー・口コミ機能」はついていますか?
ECサイトを利用する際に、「商品レビュー」はユーザーの購買行動に大きな影響を及ぼすため、ぜひつけておきたい機能です。
楽天やAmazonなどの大型ECモールにおいてはかなりレビューは重要視されています。
ファンくる(株式会社ROI)の調査によると、91%のユーザーが他のユーザーのレビューを観覧し商品を買うかどうかを決めています。
直接のお客様の声であるレビューは、信頼性のある情報としてダイレクトに他のユーザーに届きます。
そのため自社ECサイトを成功させるためには「レビュー・口コミ」は戦略的に集めていくことがとても重要です。
ユーザーは実際に商品を購入した人の使用感や満足度などについてのレビューを読み、
レビューを信頼することで、ある程度の確信をもって商品を購入できるようになります。
- レビュー機能を取り付けるか検討している
- マイナスなコメントがつくのを恐れて、レビュー機能を実装していない
そんな悩みを抱えたショップオーナーの方向けに、今回はECサイト運営におけるレビューの重要性を心理的観点から説明します。
さらに戦略的にレビューを集める方法についても説明します。
レビューが売上に与える影響
国内EC売上高上位100サイトのレビュー機能について「ECのミカタ」によるインターネット調査結果があります。

売上高上位100サイトの商品レビュー機能導入率は63%という結果に。
これは、導入率95%のサイト内検索などと比べると少なく感じられます。
しかし、上位30位までのサイトと、30-100位のサイトで比べてみると…
上位30サイトでは導入率が87%と、9割近い数値となっています。
いっぽう、31位~100位のサイトでは導入率52%、約半分まで落ち込みます。
引用元:ECのミカタ(https://ecnomikata.com/column/15858/)
このように売上上位のECサイトの売上上位を占める63%のサイトが、レビュー機能を取り入れていることがわかります。
レビュー・口コミの有効性は心理学的効果にアリ!

なぜレビューや口コミがユーザーの購買活動に効果があるのかというと「社会的証明」という心理が働くからです。
「社会的証明」はソーシャルプルーフとも呼ばれ、心理学用語の一つ。
自分の経験や知識がなく、判断が曖昧なとき、周囲の人の意見や行動を頼りにしてしまうという人間の傾向を指します。
ECサイトにも、「商品写真」「サイズ」「着用写真」などは掲載されています。
しかし、多くの場合サイト側から発信される情報だけでは、それが自分に合っているのか判断できません。
そこで重要になるのが、実際に利用したユーザーの口コミなのです。
口コミ以外にも「社会的証明」はあらゆるところに使われています。
最近流行の「インフルエンサーマーケティング」もその一つ。
商品のPRを企業が行うのではなく、著名人にInstagramなどを使い写真付きでPRしてもらうことで、売上の向上やブランディングの形成に繋がります。
書籍でよく見る「有名人からの推薦文」も社会的証明の活用例。
この有名人が推薦しているなら!と読み手が価値を感じ、手に取る確率が上がります。
このように「他者からの評価」はユーザーにとって買う理由になるため、導入すべき機能です。
ECサイトにレビュー機能を実装するメリット

売上が高い、成功しているECサイトの多くがレビュー機能を取り付けていることがわかりました。
では、レビュー機能のメリットとは何なのでしょうか?
コンバージョン率の向上に繋がる
コンバージョン率とは、Webサイトの成果=コンバージョン(商品の購入や申込み)を達成した割合を表す指標のこと。
ECのミカタの調査によると、商品レビューがある場合とない場合を比較した場合、商品レビューがあることでコンバージョン率は2倍~3倍まで高まるという結果が出ています。
ECサイトは店舗の様に実際に商品に触れたり試食や試着ができないため、購入したユーザーの声は特に響きます。
商品やECサイト自体の改善に繋がる
ネガティブなレビューがあったとしても、それによって商品の問題点が把握できるため、早急な改善につながりますが、ネガティブなレビューを嫌がって機能をつけない方も多いのも事実です。
しかし実際のところ、ECのミカタの調査によると、レビューを書く人のうちネガティブなことを広めたくてレビューを書く人の割合はたったの6.8%。悪意のあるレビューが書かれる確率は極めて低いと思って良いでしょう。
ネガティブなレビューに対しては、ユーザーに連絡をとってヒアリングしたり、お詫びするなどの対応を行うことで、ECサイトや企業に対する信頼を高めていくことができます。
効率的なレビューの集め方

レビューがいかに効果的か解説しましたが、どのようにしてレビューを集めれば良いのでしょうか?
レビュー・口コミはユーザーにとって一番負担になる行動。
なかなかレビューを集められず苦労している企業が多いでしょう。
ただ待っていてもレビューは増えません。
ユーザーにレビューを書いてもらうための施策を2点ご紹介します。
レビューに対し、クーポンなどの特典を付与する
商品をレビューしたユーザー限定で次回使える「クーポンを発行する」というものです。
楽天市場でよく取られている方法です。
クーポンを発行することででレビューを書いてもらえる可能性が高まるとともに、次回もECサイトを使ってくれる可能性もアップするため多くの企業が取り入れています。
発送メールにレビュー依頼の文言を追記する
レビューをお願いするタイミングも重要です。
購入したユーザーに商品発送のメールを送信する際「よろしければご感想をお願いします」とお願いする文言を追記しましょう。商品が発送されるメールは一番ユーザーが心待ちにしており、商品に強い関心を抱いているタイミングなので購入者も応じやすいです。
商品到着の数日後にメールを送るのも効果的です。
先のクーポンと組み合わせることでより高い効果を得られるでしょう。
良質なレビューが多いサイトは成功する

実店舗ではお客様の声を収集することが難しいですが、ECサイトはレビュー・口コミという消費者の意見をダイレクトに得られるツールを有しています。
ユーザーからの評価はECサイトに高い効果をもたらします。
4つ星の評価の商品は、平均評価が3つ星の商品よりも約12倍注文が多いと言われています。
レビューを参考にECサイトも改善し、良質なレビューを集めることでECサイトや商品の信頼度が高まり、どんどん成長していくでしょう。
良質なレビューが増えていけば、運営している側も気持ちが良いもの。
そして何よりも、購入を検討しているユーザーの手助けをしてくれる強いツールになるのです。
この記事を書いた人

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(株)PlayDot代表の菊池 俊樹
1991年生まれ。岩手県出身、横浜市在住。
UXデザイナー/ エンジニアとして、学⽣時代から株式会社ディー・エヌ・エーにて勤務。その後、新卒にて入社後(駒澤大学外国歴史学科 2015卒)、同社デザイン戦略室にて、Webディレクター、アプリケーションエンジニアとして従事し、ソーシャルゲームや、新規サービスのLP設計/ 制作ディレクション、Webアプリのバックエンド実装業務までを従事。
その後、フリーランスのITコンサルタント/ Webエンジニアとして独立。(2018年)IT戦略の立案、 PM/PMO、Web開発、デジタルマーケティングといった、新規プロジェクトIT戦略~施策実行まで、幅広いレイヤーの業務に従事。業務拡大に伴い、株式会社PlayDot設立(2021年)